パンジーの種を2袋(約80粒)蒔くことにしたので、初めてプラグトレーを使いました。8月に温度管理をして発芽させたことはありますが、9月はじめに温度管理をしない自然な状態での種まきは初めてです。その後ビニールポットに植え替えをして12月には開花が見られました。
そこで初めてプラグトレーを使った様子やその後の経過をまとめてみました。
もくじ
パンジーの種をプラグトレーにまく(9月初め)
パンジーの種を9月初めに蒔きました。蒔いたのは、よく咲くスミレシリーズのマーマレードとミックスの2種類です。
花は4cmほどの中小輪で、花つきが良く開花も長く楽しめます。
種まき前の準備
今年のパンジーの種まきは、例年より多めの2袋(80粒ほど)。プラグトレー(セルトレー)を使うと発芽が揃うと聞いたので、初めて使ってみることにしました。プラグトレーは、72穴、128穴、288穴など色々な大きさがありますが、今回使ったのは128穴。
【プラグトレーへ土を入れる】
① 種まき用土を湿らせる
種まき用土に水をかけて、全体に水分が行き渡るように混ぜておく
② プラグトレーの穴に、土をしっかりと押し込む(しっかりと土を入れておくと、苗を取り出す時が楽)
パンジーの種まき
【パンジーの種まきに用意したもの】
- 土を入れたプラグトレー
- 細い竹の棒
- 爪楊枝と爪楊枝を湿らせる水
【パンジーの種まき手順】
① パンジーの種を容器に出して種が重ならないようにしておく
② プラグトレーの仕切りの真ん中に棒で印をつける
③ 水で湿らせた爪楊枝の先に1粒種をつけて棒で印をつけた穴に置く
④ 一つ一つの仕切りに種を置いたら軽く土をかけ、指で土を押さえて種と密着させる
⑤ 優しい水流でプラグトレー全体に水をかける
⑥ 新聞紙をかけて屋外の日陰で涼しい所に置く
プラグトレーは直置きせず台の上などに置くと、風通しが良くなります。
※ 一つの仕切りに1粒ずつ上手く種が置けるなら、棒で印を付ける作業は省きます
パンジーの種まきは午後3時以降に行う
なぜ3時以降なの?
サカタのタネの通信販売でタネを購入しましたが、送られてきた説明書(秋まき草花の栽培ポイント)に、『パンジー・ビオラのタネまきは午後3時以降に行う』という文章を見つけました。
なぜだろうと不思議に思って8月にサカタのタネに問い合わせをしてみました。
その返信が以下の文章(一部抜粋)です。
「タネまきは午後3時以降に行う」との表記、不思議に思われたことと思います。
パンジーの発芽適温は20℃前後ですが、今の時期は気温が高いため、少しでも発芽をよくするための方法です。
タネは、タネをまいて水を吸収した約5時間後の温度に反応します。午後3時以降にタネまきをすると、約5時間後には夜になって気温が下がっているため発芽しやすくなります。逆に朝にタネまきすると、朝まだ涼しいうちにタネまきしても5時間後には暑くなっていますので、発芽が悪くなります。
夏の暑い時期にタネまきするときは、日陰で風通しのよいできるだけ涼しいところ、エアコンの効いた室内、保冷剤を入れた発泡スチロールの箱に入れるなどして、できるだけ温度が下がるようにしてください。
9月になって気温が下がってくると発芽しやすくなります。
なるほど。タネをまいて水を吸収した約5時間後の温度に反応するとは知りませんでした。暑い時期の種まきでは、朝方に蒔いても5時間後には暑くなっているので、発芽が悪くなるんですね。夏にパンジーの種を蒔く時の参考になりました。そこで今回は、少しでも発芽を良くしようと夜になって種まきをしました。
パンジー 種まき後の管理
パンジーの発芽が始まったのは5日目。新聞紙を外して様子を見ます。
<小さな芽が出てきたパンジー>
その後発芽がほぼ揃った頃に日向に移動させました。
ただ9月になっても30℃を超える暑い日が続いていたので、日向でも少し木の陰になる場所で管理しました。
パンジーのポット上げ(10月初め)
パンジーの種まきから1ヶ月後。本葉が2~4枚出てきたので9cmポットに植え替えです。マーマレードとミックスの種をそれぞれ40数個蒔きましたが、発芽率は80%以上でした。
プラグトレーからの取り出し
プラグトレーから苗を抜き出すのは初めてです。どうやって出そうかと考え、まずはピンセットでやってみましたがうまくいかず断念。
そこで種まきの時に使った竹の棒で底の穴を突き上げてみると、苗がスムーズに出てきました。
9cmポットへ植え替え
プラグトレーからそっと抜き取った苗は、園芸用土を入れた9cmポットに植え替えました。
マーマレードとミックスの2種類があるので、目印としてマーマレードのポットには白いビニールテープを貼り、2種類の苗はそれぞれ別のトレイに入れて、見分けられるようにしました。植え替えた後は、根が落ち着くまで半日陰に置き、その後日向に出しました。
<9cmポットに植えて半日陰に置いたパンジーの苗>
プラグトレーを初めて使った感想
プラグトレーへの種まきは一つ一つ種をトレーに蒔く必要があるので、とても根気のいる作業でした。
発芽までの日数は、早くて5日目でしたが、遅いものは10日ぐらいかかりました。棒で印を付けた穴が少し深い所があったかもしれません。もう少し種を浅く蒔いたら発芽が揃い、発芽率はもう少し良かったような気がします。次回への課題です。
植え替えは、仕切りで一つ一つ苗が独立しているので根が痛まずスムーズに作業できました。プラグトレーから苗の取り出しは、棒で底穴から突き上げましたが、フォークで取り出しても良いようです。
プラグトレーは、種を沢山蒔きたい時にはとても便利でした。
パンジーの定植と植え替えから開花まで(11月〜12月)
パンジーの植え替えと定植(11月下旬)
11月中旬には、つぼみが付きました。
11月下旬に1つ目のパンジーが開花しました。
<初めて咲いた白いパンジーの花>
そこで次の日には、パンジーの定植と10.5cmポットへの植え替えをしました。
<ミニプランターに3株と丸鉢に6株を植えたパンジー>
この時点で花色が分かるのは、初めて咲いた白色とマーマレードの二つだけ。残りは花色がはっきりしないので、葉の形と小さな蕾で何となく花色を想像して植え込みます。花色は咲いてのお楽しみです。
残りのパンジーは花好きの方におすそ分けする予定ですが、まだ花色がはっきりしません。そこでもうひと回り大きいポットに植え替えしました。
定植と植え替えから1ヶ月(12月下旬)
花が咲いた苗はその都度おすそ分けしましたが、残った株も開花または蕾がついている状態です。ミックスの苗の花色がはっきりしてきました。
ミックスの種は、色々な花色を楽しめますが、花色が分かるまで定植しにくい点があります。
ミニプランターと丸鉢に植えたパンジーも開花しました。11月に定植した苗の方がポット苗より開花が早いようです。根がしっかり張れるからでしょうか。
<どんな色が咲くか楽しみに待ったミニプランターと丸鉢のパンジーの花>
9月初めに種まきして屋外で発芽させたパンジーは、しっかり年内に開花してくれました。
8月に保冷の温度管理をして発芽させると、もちろん12月にはしっかり花が咲いていますが、9月初めに蒔いても、年内に開花することがわかりました。屋外で発芽させることが出来るので、8月にパンジーを蒔くよりも随分管理が楽です。
プラグトレーを使うのも9月初めの種まきも初体験でしたが、何とか開花まで育てることが出来たので大満足です。
地域(こちらは、中国地方瀬戸内海側です)によって、パンジーの種まき時期は違いがあるでしょうが、夏の暑さが少し和らいだ9月初めの種まきは、おすすめです。
8月にパンジーを種まきした時の記事も見てくださいね。