白色とピンク色のシュウメイギクを1株づつもらって育て始めて20年以上になりました。白とピンクの優しい花は、和風の庭にもよく似合います。
野山に自生する丈夫な花ですが、植え替えに手こずってしまったので、気をつけたいポイントを書いてみました。
もくじ
シュウメイギクの育てかた
シュウメイギク(秋明菊)とは
- キンポウゲ科の多年草。
- 高さ 50cm~1m。
- 中国から古い時代に入ってきた帰化植物。
- 名前にキクの名があるが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間。
- 英語では、Japanes anemoneと呼ばれる。
どんな場所を好む?
- 半日陰の湿潤地を好む。
- 耐寒性は強い。
- 夏の暑さや水切れに弱い。
植え替えと増やし方
- 植え替えは、春か秋に行う。
- 大きくなった株は、切り分けて株分けする。
- シュウメイギクは地下茎を伸ばして広がるので、子苗を掘って植え付ける。
- 根伏せをする。(5cm程度に切り取った根を寝かせて、土を被せる)
日常の管理
- 花が咲くと頭が重くなるり倒れたり茎が折れやすくなるので、支柱が必要になることも。
- 花が終わった後は、花の付いていた茎を足元から切り取る。
- 枯れ枝や枯葉がある時は、随時切り取る。
- 春になり新芽が出てきたら、前年の古い葉や茎を取り除く。
<冬 切り忘れた茎の先についたフワフワの種>
古い葉を取り除くのが、主な作業ですね。ムシに葉っぱを食べられることはありますが、丈夫で病気などは特に気になりません。
庭に植えたシュウメイギクの経過
もらったシュウメイギクは、玄関前に植え付けました。キンモクセイと建物の陰で昼過ぎまでは、半日陰。それ以降は西日がガンガンに当たります。「玄関から花が見られたらいいな」という軽い気持ちで選んだので、特に日当たりは考えませんでした。
それでも花はしっかりと咲き、株も増えていきました。
ところが10年くらい経って、ある事実に気づきました。
『花が日差しの強い方向を向いて咲く』
花が西方向を向いて咲くので、玄関側から見ると、いつも花の後ろ姿を眺めていたんです。正面の花を見ようとすると、反対側に回りこまなければいけません。
これは、なんとかしなくては。「花を正面から見たい」と強く思うようになりました。家の中から花を正面向きで見られる場所を考えて、8年前東向きの花壇と玄関以外の庭に株を全部移植しました。
花壇に移植して1年目。どこに株があるのかわからない程、株が目立たず大きくもなりません。2年目、3年目と経っても花が咲く気配もありません。
東向きで朝日が当たった後は、比較的に建物の陰になるのでピッタリの環境だと思ったのですが…。
やっと一昨年くらいから株が大きくなりました。猛暑で水不足になり、首をもたげていたので心配しましたが、今年は花もたくさん咲きました。
しかも花は、正面から眺められます。
花壇には、大きなシマトネリコが根を張っているので、夏場植物が水不足になりやすいようです。
庭の半日陰に植えたシュウメイギクは、周りの植物との競争で花が咲いたり咲かなかったり。
<ツワブキとの競争に負けそうなシュウメイギク>
咲く場所も一定しません。完全な自然任せです。木に囲まれて日当たりが悪い所は、1mより伸びてしまい花つきも悪いようです。
<気ままに咲いたシュウメイギク>
そしてシュウメイギクを抜いた玄関前は、草が生えないように芝生を植え付けました。ところが、全部植え替えたはずのシュウメイギクが少しづつ芽を出してきます。
そのまま大きくなるのに任せたら、今ではすっかり復活。芝生の中でも負けずに花を咲かせています。花はやっぱり西向きに咲くので、相変わらず後ろ姿を眺めることに…。
<西を向いて咲くシュウメイギク>
<玄関を背にして撮ったシュウメイギク>
シュウメイギクは、根伏せで増やせるように、根が残っていたら復活するようです。芝生とシュウメイギクが混在して、足元が刈り込めないのでちょっと困りますが…。シュウメイギクは、西日の当たるキンモクセイの木陰がお好みなんでしょうかね。
植え替えた株の半分が生き残り、移植の成功率は50%ぐらいでした。しかも花壇には、ピンク色が残り、植え替えた庭では、白色だけが咲いています。
玄関前が自力で以前の70%まで復活しピンクと白色の両方が咲いているのに比べたら、あまり上手な植え替えとは言えません。日当たり、植え替え時期、土など何か条件が合わなかったのでしょうか。
植え替えたシュウメイギクが花を咲かせるのには時間がかかったのに、元の場所で増えて復活するのは速かったような気がしています。
まあ、そのお陰でシュウメイギクの数が増えたのは間違いありませんが。
地植え栽培のポイント
自分が育てた反省を込めて、具体的にわかったことをまとめてみました。
<地下茎から生えた子苗>
- 植え替えは、芽が動き始める前3月頃がおすすめ。
- 移植は、子苗の方が環境に適応しやすく育てやすい。
- 半日陰が良いとされているが、日当たりが悪いと背が高くなり花付きが少ない。
- 半日陰より明るいところでも、よく育つことがある。
- 乾燥に弱いので、夏場の水切れには注意。地植えでも水やりが必要なこともある。
- 周りに競合する植物がない方が育ちやすい。
- 植える時は、花の咲く方向を確認して植え付ける。
自分の反省から生まれた気づきなので、全ての環境に当てはまるとは限りません。そこは、大目に見てくださいね。
2株だったシュウメイギクは、今では株が増え秋の庭を彩っています。大好きな秋の花です。