梅雨に咲くアジサイの挿し木は、割と簡単だと言われています。
実際やってみると、発根して小さな苗までは上手く育ちます。でも庭に植え、次の年に花が咲いたと喜んでも、その次の年に姿が見えなくなってしまうことが続きました。
そこで苗が育っても、すぐには地植えにせず1年以上待って地植えにしました。これなら、シッカリ根を張って育ってくれるでしょう。
もくじ
アジサイの挿し木
アジサイの剪定は花後すぐに行うと、剪定が遅れて次の年の花芽を切ってしまったなんて失敗をしなくて済みます。
そこで毎年アジサイの花が少し色褪せ始め、まだ切るのは惜しいかなと思うぐらいの時に、早めに剪定しています。
さらに、お気に入りのアジサイの剪定枝で挿し木すれば、剪定と挿し木が同じ時期にできて、一石二鳥です。
【アジサイの挿し木方法】
1、挿し木用土を準備する
用土には、無菌状態で栄養分のない土がいいので、赤玉土やバーミキュライト、パーライト、鹿沼土などを使います。100円ショップなどでは挿し芽挿し木用土も販売されています。
小さい鉢やプランターに土を入れ、タップリと水をかけておきます。
2、挿し穂を作る
① その年に伸びた枝の先端部分は切り落とし、その下の枝を10cm〜15cm程度に切る。必ず葉が付いた状態になるように、2節ぐらい付いた状態にして、ハサミで切り分けます。
② 葉っぱは2枚だけ残し、他の葉は付け根から切り取る。残した葉っぱも、2分の一程に切り詰める。葉っぱを切ることで発根を促します。
③ ハサミで切った切断面をあらためて、清潔なよく切れる刃物(カッターなど)でスパッと切る。こうすることで細胞を崩さず、切断面をきれいにすることができます。
太い茎の場合は、一方向だけでなく、反対方向からもう一度切って切断面を広くします。
④ 出来た挿し穂は、1~2時間ぐらい水に入れて水揚げさせる。
3、挿し穂を土に挿す
① 挿し穂に発根促進剤(メネデールやルートンなど)をつけます。
発根促進剤は使わなくても挿し木できますが、成功率を上げたいときや、ちょっと不安な時には、使ってみるのも良いかも。必要のない時は、①はとばして②へ。
② 挿し木用土に棒で穴を開け、挿し穂をそっと穴に入れます。挿し穂を力任せで無理に押し込むと、キレイにした切断面が台無しになるので、ここは細心の注意を払います。
③ 挿し穂を土に密着させるように、土を押さえます。
④ 隣の挿し穂と葉が当たらないように気をつけて、②③を繰り返します。
⑤ 全部の挿し木が終わったら、挿し木を倒さないように、優しい水流で、タップリと水やりします。
4、挿し木したアジサイを半日陰で管理する
半日陰の場所に置いて、土の表面が乾きかけたら、水やりをします。発根しているかどうか確認したくなりますが、水やりだけしたら、後は自然任せです。絶対触らないように、ガマンしましょう。
アジサイの鉢上げ
1ヶ月〜1ヶ月半ぐらい経つと、挿し木苗の新芽が出てきます。鉢底からは、根が出ているかもしれません。そっと茎を持ち引っ張った時に抵抗感があれば、根が張っている証拠。
鉢上げの準備をしましょう。
1、好みの鉢を用意
いきなり大きな鉢にはせず、小さめの鉢(3号鉢ぐらい)に一本づつ植えていきます。
鉢の素材は色々ですが、夏場の水切れを起こしやすいアジサイは、ある程度湿度を保つ鉢が管理しやすい気がします。
アジサイは鉢で育てますか? それとも庭植えにする予定ですか。
私は、庭植えを予定してるので、管理が楽なようにプランターにまとめて植えました。
2、土の用意
市販の培養土を使うと簡単です。まだ根が未熟なので、肥料分は控えめに。
3、鉢へ植え替え
① 鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れ、用意した土を入れる。
② 挿し木苗を土の上に置いて、土をかける。
③ 深植えにならないように気をつけ、土を押さえて苗を馴染ませる。
④ タップリ水やりをする。
4、鉢上げ後の管理
植えつけた苗は、しばらく半日陰に置いて管理します。夏が終わる頃には、日向に移動。夏の間は特に水切れさせないように気をつけましょう。
今まで苗が根付いて、少しづつ大きくなって来ると、挿し木して半年も経たないうちに、すぐに地植えにしていました。
次の年には、花が咲くものもあり、順調に育つと思われましたが、2年後には姿が見えなくなっていたなんてことが、2~3回続きました。
「なぜだろう?」
焦って早く地植えにすると、周りの植物に負けたのか、まだ根が未熟で上手く育たなかったのかもしれません。地植えにした植物は、水やりをしないので、夏場の水不足も考えられますが…。
そこで今回は、プランターのまま途中で肥料を入れながら、じっくりと育てました。
挿し木した翌春。アジサイが芽吹く前は植え替えができます。この時に地植えにしようか迷いました。
ですが最近夏の暑さが厳しすぎて、アジサイが根付く前に夏の暑さで枯れてしまう危険性が頭をよぎります。
ここはぐっと我慢して、夏の間は再び半日陰にプランターを移動させ、7月には切り戻し剪定をもしました。
アジサイを地植えに
そして、挿し木から1年半後の12月。
アジサイの葉は黄色くなり、休眠期が近づいてきました。これからの落葉期は、アジサイに負担をかけずに植え付けができる、待ちに待った植え替えの時期です。
挿し木苗を掘ってみると、根もしっかり張っています。「さあ、植え替えましょう」
【植え付け場所】
植え付けるのは、2箇所。午前中日が当たり午後からは日陰になり、夏には柿の葉が茂り木陰を作ってくれる花壇と北側の斜面です。
【アジサイの植え付け】
① アジサイの根周りより大きめの穴を掘り、穴に水をタップリ入れる。
② 土を戻しアジサイを置いて、高さと位置を確認する。
③ 土を埋めもどす。その時アジサイの周りの土を少し高くしておく(根元に水が溜まりやすいように)。
④ 水を根元にかける。
<冬枯れの花壇に植えたアジサイ>
アジサイは、土の酸性度によって色が変わるものがあるようですが、私は気にならないので、特に酸度調整はしていません。
そして地植えにしたアジサイは、もう水やりはしません。梅雨になるまでの半年で、水分を求めてアジサイの根もさらに張ってくれるのではないでしょうか。
<北側斜面に植えつけたアジサイ>
花が咲き、順調に育ってくれることを期待しています。
アジサイまとめ
アジサイの挿し木は、梅雨の時期に剪定枝で手軽に挑戦することができます。自分が挿し木したものが、発根して新たな命が芽生えた時は、とても嬉しいものです。
勿論花も咲かせたい!
ですが、私は植え付けを焦ったばかりに、上手く育たないことがありました。挿し木したアジサイを地植えにするためには、植え替え時期とアジサイ苗の成長具合が大切なんだと思います。
鉢植えなら、水やりなどの管理ができるので問題なく育つのかもしれません。
それに対して庭植えは、小さいうちに植え付けると、周りの植物や環境に適応できず、育たないことがあります。勿論早めに植えても、しっかり管理すれば何の問題もなのかも…。
でも私のように最小限の手間で育てたい場合は、少し大きく育ってから植え付ける方が安心できそうですよ。