初めてバラの挿し木をして、一年ちょっとが経ちました。
バラを育てること自体が初めてだったので、次はどうしたらいいんだろうと手探りで調べながらの一年でした。
バラを挿し木した時には、挿し木が成功してほしい思いばかりが強く、目先のことしか頭にありませんでした。
でも初めて挿し木をする時に「一年経ったら、どれぐらい大きくなっているんだろう」
「挿し木した後どうやって管理するんだろう」と気になる方もあるでしょう。
そこでバラを鉢上げして一年が経過したので、失敗しながらも何とかやって来た経過をまとめてみました。
一年後のバラの姿は全く想像出来なかったけど、目の前の対応をしていたら一年が経っていた初心者の体験をご覧ください。
もくじ
挿し木したバラの鉢上げから翌春までの経過
7月の鉢上げから9月まで
7月
5月に6本挿し木して7月下旬に発根して鉢上げ出来たバラ苗は、2本。まだ根がか弱いので、根鉢を崩さないように2本一緒にスリット5号鉢に植え付けました。
ちなみに挿し木したバラの品種はわかりませんが、四季咲き木立性のバラです。
バラの挿し木から鉢上げまでは、バラの挿し木にバラの初心者が挑戦してみたに詳しく書いています。
9月
猛暑なので、鉢は半日陰で管理していましたが、9月になり短い方の苗が黒く枯れてしまいました。
もう1本の苗も夏の間に葉が黄色くなり、ついには葉を落としてしまいました。
それでも辛抱強く水やりを続けていると、9月中旬小さな膨らみを発見。2~3日すると新芽が伸び始めました。
新芽を見た時、心の片隅にあった『初めてのバラの挿し木は全滅かもしれない』という不安な思いが、一瞬で吹き飛びました。
育って欲しいという強い思いとダメかもしれないという不安が入り混じっていたので、夏の暑さを乗り切ったバラの生命力の強さに感激です。
新芽が出てきた鉢は、半日陰から日当たりの良い雨が当たらない軒下に移動。
10月と12月の鉢増し
10月
9月に新芽が出てから、1ヶ月後。根が張って鉢が狭くなってきたので一回り大きいスリット6号鉢に植え替えました。
12月
さらに2ヶ月後。再び鉢が狭くなってきたので、バラ8号鉢に植え替え。使った用土は、肥料の入った市販の花の土です。
そして、軒下に置いたまま冬越しです。冬になると葉を落とすと聞いていたのですが、夏に一度葉を落とし、秋に再び新芽が出たせいか葉を落としません。
<左からスリット5号鉢 スリット6号 バラ8号鉢>
葉を取るかどうか迷いましたが、挿し木した枝に葉が出ているだけで、剪定する所は全くありません。そこで、自然に任せて葉がついた状態で春を迎えました。
挿し木したバラ苗 翌春から夏までの経過
5月の植え替え
4月が終わり5月になっても挿し木苗の新芽が動きません。それどころか、20cmの樹高になったバラは葉色が黄緑色がかって、元気が無いように見えます。
何だかおかしいなと感じていた時に、バラの講習会があったので参加して来ました。
その時に聞いた話の中に、まさにこれだとピンとくるものがありました。
それは、市販の花の土は水もちが良すぎるということ。
ひょっとしたら、これが原因で元気が無いのではないかと考えました。
そこで5月に鉢の大きさはそのままで、土を新しいものに替えました。
今回用意したのは、講習会で聞いた中で一番簡単そうな配合の土(バラの土の配合は色々あるようです)。
赤玉土と腐葉土を混ぜたものです。株が弱っているようなので、肥料分は入れませんでした。
8号鉢から出してみると、根は鉢の深さの半分にも届いていませんでした。水もちが良い土に植えていたことで、根をあまり張っていなかったようです。
良かれと思って、栄養たっぷりの花の土に植えて安心していたのですが、それが裏目に出てしまったようです。
5月から7月の苗の変化
もう1点やり方が間違っていたことがあります。それは水やりの仕方。講習会で聞いた話では
バラは、土が乾くことと濡れることを繰り返すことで、しっかりと根を張り、よく育つということ。
花の土に植えていた時は、表面が濡れているのか乾いているのかよくわからず、ほぼ毎日水やりしていました。
そこで、土の表面が乾いてから水やりすることにしたら、2日に一度の頻度になりました。赤玉土は乾くと色が白っぽくなるので、わかりやすいので助かります。
今までは、水をやり過ぎていたようです。
こうして土を替え、水やりの頻度を替えると、二週間経つ頃から葉色が少し濃くなってきました。
1ヶ月経つ頃には、葉色が濃くなったのがハッキリとわかるほどになりました。根張りが改善して来たようです。
葉色が濃い緑色になった頃、これだけ元気になったら栄養吸収もできそうだと思って、やっと肥料を株元に入れました。
どの肥料が良いのか、全くわからなかったので、今回使ったのは試供品のバラの肥料です。1年間は、この肥料を使おうかなと思っています。
6月
ついに新芽が出てきて、さらに伸びた茎の先には小さなツボミもついていました。
ツボミが付いたのは嬉しいのですが、花を咲かせてしまうと、栄養分が花に取られてしまうようです。
ツボミは柔らかい時に、手でポキンと折り取り、まずは株を大きく育てることを優先させました。この時樹高は、40cm。
7月
さらに1ヶ月後の7月終わり。再び赤い新芽が伸びてきました。ムシに葉を食べられていますが、株はとても元気です。
再び先端に二つのツボミ(5mmほど)が付いていたので、柔らかいうちに手で摘み取りました。
樹高は70cmで茎の太さは5mmになっていました。
初めて育てたので生育状態を比較するものがありませんが、「良くここまで育ってくれた」と、バラに感謝したい気分です。
この調子で大きく育てば、秋には花を咲かせることができるかもしれませんね。
バラの講習会で聞いた大切なポイントおさらい
⒈ バラの土は水はけの良いものを使う
※市販の花の土は水もちが良すぎるので、気をつけよう
⒉ 鉢植えの水やりは、土の表面が乾いてから行う(ただし夏の水やりは毎日)
土が乾いたり濡れたりを繰り返すと、根が張り良く育つ
⒊ 新苗(バラ一年生)の春から夏にかけて付いたツボミは摘み取ったほうが、株を大きく育てられる
鉢上げから一年のまとめ
バラの挿し木(6本)を5月にして、翌年生き残ったのは結局1本だけでした。成功率は低かったのですが、1本だけでも生き残って成長してくれたのは嬉しいことです。
バラを育てるのも初めてだったので、たくさん失敗もしました。
バラを育てた経験のある方なら当然知っていることでも、私には初めてのことが多かったので、講習会で聞いたことを参考にして試行錯誤しました。
一年後挿し木苗がどうなっているか想像できませんでしたが、実際は70cmまで成長した姿を見せてくれています。
今回挿し木した目的は、丈夫なバラを育ててみたいという強い思いによるもの。まだ気を抜けませんが、この調子ならバラ栽培のスタートラインには立てたような気がしています。
挿し木から育てるバラ栽培。この一年を振り返ると、苗を買って育てるのとは一味違う苦労と楽しみがあったように思います。