石ナスを知っていますか。石のように硬くなってしまったナスのことを指すようです。
家庭菜園でナスを育てていますが、できる実は艶がなく固くて大きくなりません。お店に並ぶナスとは比べ物にならないもので、毎年採れるナスは、まさに石ナスでした。
そこでなんとか美味しいナスが食べたいと思い、例年のやり方を2点変更して育ててみました。すると例年より美味しいナスが採れたので経過を書いてみます。
もくじ
ナス栽培 やり方を変えて植え付けた2つの方法
変更点1つ目 :購入した苗は根切りする
例年購入した苗は、出来るだけ早く畑に植え付けしていました。しかし今年は、雑誌に紹介されていた新根再生術を試してみることにしました。
【新根再生術】
① 根鉢の周囲と底を5mm切り取り、一回り小さくする
底面給水させて根鉢を湿らせた苗をポットから取り出し、ハサミで周囲を5mmほど切り取ります。私はカッターで切り取りました。
② 苗が入っていたポットに戻す
ポットの底に畑の土を入れます。一回り小さくした苗を戻し入れ、苗とポットの隙間にも畑の土を入れます。
③1週間後に畑に植え付けする
日当たりの良い場所で育苗すると、根鉢から新しい根が伸び始めます。
ナスを植える場所の土を入れることで、植え付け先の情報を苗に伝え、畑に馴染みやすい苗に再生するようです。
野菜だより 図解 土づくり タネまき 植え付け Gakken Mookを参照。
変更点2つ目:植え付け時に肥料を埋め込む
家庭菜園では、無農薬を基本として野菜を育てています。肥料は、コンポストで作った堆肥を入れたり、冬の間に掘り起こした畑に落ち葉や米ぬかを埋めて土作りをする程度です。
ナスは、堆肥を入れた畑に植え付けたら、追肥もせずにそのまま育てていました。
調べてみると石ナスになる原因は、主に受粉不良でした。さらに受粉不良を起こす原因は、肥料不足や水分不足が考えられるようです。
やっぱり肥料を入れないと育たないのかな
ナスは肥料をたくさん必要とするという話も聞きます。そこで今年は、ナスを植え付ける穴の底に発酵油粕を入れ、その上に土をかけ苗を植え付けます。
苗が育ち根を伸ばした頃に肥料が効いてくるように仕込みました。
実際のナスの成長と収穫
5月上旬
ナスの苗を2本購入。ポットから出した苗の根をカッターで切り、畑の土を入れて、ホットに戻しました。
<左:購入したナスの根 右:根を5mm切り取ったナス>
5月中旬
日当たりで管理して1週間後。ポットで育てる間に少し大きくなった苗を畑に植え付けました。
<左:1週間で伸びてきたナスの根 右:ナスの植え付けの様子>
5月下旬
ナスの花が咲き始めました。
<ナスの花が咲き始めた>
6月下旬
6月中にナスを2回収穫。
石ナスでなくて良かった
<普通のナスが収穫できた>
それから少しづつ収穫が続きました。
8月
葉っぱがムシに食べられて穴が空き、無惨な姿です。実もなりません。
8月下旬
少し涼しくなったのか、キレイな新芽が伸び、再び花が咲き始めて、小さな実がたくさん付いています。
9月初め
葉が食べられ、もう実がならないのではないかと思っていましたが、再び実がなり始めました。
1度にこれだけの収穫があったのは、初めての経験。
9月中旬
葉っぱがすっかり元気になり、花がたくさん咲いています。これなら、もうしばらく収穫ができそうな勢いです。
ナスの植え付けに2つの方法を試した感想
今までナスが上手く育たず、ほとんど石ナスのような固い実しか収穫できませんでした。でも今年は瑞々しいナスを収穫出来て、ちょっと嬉しい結果でした。
購入した苗は、化学肥料を使って育苗したものが多く、畑の土を足して再生苗にすることで、有機栽培や自然栽培の畑に馴染む苗にすることができるようです。
根切りして、丈夫な苗を畑に植え付けすることで活着がスムースで初期生育が良くなりました。この方法なら、購入した苗が多少元気がなくても再生してくれるかもしれませんね。
さらに例年植えっぱなしの放任状態で育てていましたが、元肥を入れることで、継続的に栄養が補給され、石ナスではない食べられる実がなり続けたようです。
今回2つの方法を試してみて、初期生育の大切さと野菜に応じた肥料を入れる大切さを実感しました。
いつも他の方の畑にあるナスの実を羨ましいと思って見ていましたが、初めて艶やのあるナスを何回も収穫できるという幸せを感じました。やり方を変えてみると、上手く行くこともあるんですね。
ただナスの葉は、ムシに食べられて穴だらけでした。
<穴だらけになってしまったナスの葉>
ジャガイモの隣にナスを植えたのは失敗だったかもしれません。ジャガイモについたムシがナスの葉を食べることもあるようです。来年はムシ対策を考えようと思っています。
今まで上手く育てられなかった野菜を収穫することができたので、私にとって初の試みだった2つの方法を紹介させていただきました。畑づくりは、やり方や環境など色々と違いもありますが、工夫して楽しみましょう。