みなさん菊芋を知っていますか。馴染みが少ないかもしれませんが、最近少しずつスーパーでも見かけるようになってきました。血糖値の上昇を抑えるイヌリンを含むことで注目されている植物です。
そんな菊芋が手に入ったので、家庭菜園でも育てられるのか試しに一つだけ植えてみました。
もくじ
菊芋の植え付けから収穫して保存するまで
菊芋の植え付け
3月下旬
<3月下旬 畑に植えた菊芋一つ>
背が高くなると聞いていたので、植え付けたのは後方に法面があり倒れても大丈夫そうな所。穴を掘って植えるだけで、無肥料で育てます。
植え付けからの成長
7月
菊芋を植え付けたことをすっかり忘れていましたが、気が付くと1mの高さに育っていました。
<7月 1mになった菊芋>
茎は触ると硬い毛が生えています。放任栽培でもムシも付かず元気に育っています。
9月
菊芋が2mになる頃、転倒防止のために竹の支柱を立てました。
9月下旬には、ぐんぐん伸びて草丈3mに成長。
<9月下旬 3mになり花が咲いた菊芋>
菊芋はキク科ヒマワリ属の多年草で、5cmぐらいの黄色が鮮やかな花が咲いています。
これ以上草丈が高くならないように、頂芽を切り取る目的を兼ねて、切花にしてみました。自己流で生けましたが、1週間ぐらい楽しむことができました。
菊芋の収穫
12月
12月になると葉が枯れ始めました。12月中旬いよいよ収穫です。
<12月中旬 すっかり枯れた菊芋の支柱を外す>
支柱を外して枯れた茎を切り取り、50cmほど残した茎を揺らして引っ張ってみると、あまり抵抗なく抜けました。
地下茎には塊茎(かいけい)と言われる食用になる芋がたくさん付いています。
<菊芋を抜いてみると地下には芋がいっぱい付いています>
さらに菊芋が生えていた周囲(根が横に広く張っているので半径1mぐらい)を掘ってみると、芋が出てくる出てくる。手箕(テミ)いっぱい収穫出来ました。
たった一つの菊芋を放任栽培した結果に驚きです。
菊芋の保存
菊芋は常温で置いておくと、すぐ傷んでしまいます。長期保存するには、土の中に埋めておくのが良いようです。
畑に穴を堀り、テミいっぱいの菊芋を再び穴の中に入れて
土をしっかりかけ、埋めた場所の目印と保温を兼ねて不織布をかけておきました。
調理する時には、食べる分だけ土の中から掘り出して使います。畑から掘り出した菊芋は、ショウガの形に似た小さな芋がくっ付いたようなボゴボゴした形のものが多くて、土をキレイに取り除くのに時間がかかりました。
菊芋を栽培する時に気をつける点
今回初めて菊芋を植えてみて、これは注意した方が良いだろうなと感じた点を書いてみます。
* 要注意外来生物に指定されていたほど生命力が強い
菊芋は北アメリカ原産の植物で、要注意外来生物に指定されていました。
『指定されていた』と過去形なのには理由があって、2015年に外来生物法に基づいた要注意外来生物リストが廃止され生態系被害防止外来種リストに移行したのですが、菊芋は生態系被害防止外来種リストには入らなかったようです。
それでも菊芋は、要注意外来生物に指定されていたほど生命力が強く、土質を選ばない適応力があるため、放任していると農耕地で雑草化することがあります。
畑で育てる場合、取り残した小さな芋が土の中に残っていると次の年に芽が出てしまいます。そうならない為には、土に埋めて保存した芋を春までには全部掘り出しておくことが大切です。
少しだけ育てたい時は、大きめのプランターや袋栽培も良いかと思います。
* 植え付ける場所選びは慎重に
菊芋は背が高くなり強風などで倒れやすいため、支柱を立てて育てます。
さらに菊芋は横に広く根を張るので、他の作物と距離をとって植え付け、倒れても影響がない場所で育てることが大切です。
* 菊芋は掘り出してしまうと日持ちしない
菊芋は常温での保管が難しいので、長期保存(寒い冬の間)するには土の中に埋めて保管します。
畑がある場合は土の中に埋めておきますが、芋をそのまま埋めたら土を掘り出すのが結構大変でした。そこで、菊芋を土嚢袋にまとめて入れて、袋ごと土の中に入れておくと堀り出すのが随分楽になりました。
寒くて土が凍ってしまうような時はプランターなどに土を入れて、その中に菊芋を保管すると家の中に置くことも出来るので便利です。
<菊芋とは上手にお付き合いを>
一つだけ試しに植えた菊芋は、肥料も入れず放任栽培だったのに、予想以上の収穫があってビックリ。菊芋の生命力の強さに圧倒されました。土質も選ばず、ムシも付かず。家庭菜園で育てるのは簡単なようです。
栽培の注意点に気を付けたら、芋を放置して勝手に広がってしまうことだけは避けて、菊芋栽培を楽しみたいですね。