地植えのクレマチスは植え替えを嫌います。植えた場所がクレマチスに最適な場所なら問題はないのですが、もし別の場所に移したいと思った時は、挿し木をして苗を作るのがおすすめです。
今回ピンク色のクレマチスを別の場所に移したいと思って4月に挿し木をしたので、クレマチスを挿し木した方法や挿し木から1年間の経過を失敗を含めて書いてみました。
もくじ
クレマチス 挿し木の手順と鉢上げまでの管理
クレマチス 挿し木の手順
クレマチスの挿し木をしたのは4月下旬、ピンク色の花(品種は不明)が咲き終わった頃です。
<そろそろ花も終わり頃 のクレマチス>
【クレマチスの挿し木に用意したもの】
- スリット鉢
- 挿し木用土(パーライト)
- ハサミ
- カッター&カッター台
- 水あげの容器
- クレマチスのつる
【クレマチス挿し木の手順】
① 挿し木したいクレマチスの今年伸びたつるを用意する
② 先端の柔らかい部分は挿し木に向かないので切り取る
③ つるを2節つけてハサミで切り取る
④ 下葉は落とし上の葉を2枚残す
⑤ つるの切り口を再度カッターでスパッと斜めに切る
発根しやすいように、切り口をキレイにして断面積を広げます。
⑥ さし穂を水につけて、水あげする(1~2時間)
⑦ 十分給水させた挿し木用土に穴を開け、さし穂をそっと差し込む
⑧ つるが倒れないように周りの土をしっかり押さえる
クレマチス 鉢上げまでの管理
置き場所
半日陰の風が強くない場所。
つるが細いので強い風が吹くと、さし穂が動いてしまい発根しにくくなるので、風が強くない場所を選びました。
水やり
鉢皿に水をためて底面給水。水の入れ替えは、あまり神経質にならずに2〜3日に1度の割合で行いました。
5月下旬
3本挿したうち1本は、いつの間にか茶色くなり枯れてしまいました。つるが傾いていたので、動いてしまったのかもしれません。
<1本枯れて残り2本になったクレマチス>
残り2本は何とか葉が緑色を保っています。
6月中旬
ある朝掃除をしている時、ほうきが当たって鉢が倒れてしまいました。置き場所は、さし穂が動かない場所を選んだはずなのに、自分で動かしてしまうとは…
1本は勢いで鉢から飛び出したので、慌てて元の鉢に戻しました。
挿し木から2ヶ月ぐらいで鉢上げする予定でしたが、さし穂を動かしてしまったので、鉢上げはもう少し先に。
クレマチスの鉢上げから春までの管理
クレマチスの鉢上げ
7月中旬
4月下旬に挿し木して2ヶ月半後。1本のさし穂は自分の不注意で動かしてしまったので発根しているかどうか不安でしたが、鉢から出してみると、2本とも発根していました。良かった!
そこで、2本のクレマチスを鉢上げしました。
【クレマチスの鉢上げに用意したもの】
- 駄温鉢 4号
- ネットに入れた鉢底石
- 園芸用土
鉢底石を入れた上に園芸用土を入れ、そこに挿し木苗を置きます。
少し深植えになるように位置が決まったら、周りに園芸用土を入れて植え替え完了です。
クレマチスの鉢上げから春までの管理
鉢上げしたのが7月中旬で、暑さが厳しくなっていく頃。そこで鉢上げしたクレマチスは、半日陰で管理しました。
9月下旬
そろそろ日向に出しても良い時期かなと思い、日向に出してみると…
半日ぐらいで、全体的に葉っぱが白っぽくなり元気がなくなりました。
これは大変!慌てて半日陰に鉢を戻しました。
ところが、1鉢の葉が次第に黄色くなり、遂には茶色くなって枯れてしまいました。日向に出すのが早すぎたなと後悔してため息が出ます。それでも諦めきれず、水やりは続けました。
10月終わり
気温も下がり秋らしい気候になって来たので、やっと鉢を日向に出しました。
3月終わり
何気なく見ると、2鉢とも枯れたつるの根元から新芽が出ているではありませんか。
<3月終わりの小さな新芽>
1鉢を枯らしてしまったと思っていたので、クレマチスの生命力に驚かされ、飛び上がるほどの嬉しさでした。
<クレマチスの鉢上げから春までの管理で失敗したこと>
・クレマチスの鉢を半日陰から日向に出す時期が早すぎたこと
最近夏が長く気温が高い日が続き、秋になるのが遅くなっているのかな。
・冬の水やりを忘れがちだったこと
挿し木したのは落葉性のクレマチスで、冬になると葉っぱも枯れて細いつるが1本立っているだけの状態になります。夏のように緑色の葉が付いていたら水やりを忘れることはないのですが、地上部が枯れた状態だと、表面がカラカラになるまで忘れていることが多々ありました。
4月中旬
新芽が少し伸びて来ました。
<4月中旬 新芽が少し伸びたクレマチス>
挿し木してからの1年間。色々失敗しながらも何とか春を迎え、一回り大きな鉢に植え替えました。
<駄温鉢 深型5号に植え替えて1週間後のクレマチス>
クレマチスの開花まではもう少し時間がかかりますが、次の春には充実した株になっているように育てて行くつもりです。
今回のクレマチスの挿し木では失敗も色々ありましたが、多少の失敗はクレマチスの生命力のお陰で大事に至らずに済みました。失敗したポイントに気をつければ、もっと上手に挿し木が出来ると思います。
クレマチスを増やしたい時や地植えのクレマチスを別の場所に移したい時には、挿し木に挑戦してみてはいかがでしょう。