すみれ、スミレ、菫。
春になると、道端で咲いているスミレの花。日本には、60種類近くの種類があるようなんです。
私は、好き過ぎて道端から掘り起こし、家に植えてしまいました。
さらに今年は、見慣れないスミレを鉢の中で見つけて、大喜び。そこで、この花の名前が知りたくなって、スミレを色々調べてみました。
もくじ
スミレの生存競争
植物の花は受粉の仕方で、開放花と閉鎖花の2種類に分けられるようです。
花を開いて受粉するものが、開放花。蕾を付けても花が開かず、閉じたままで種子を作るもの(自家受粉)が閉鎖花と呼ばれます。
そして、この閉鎖花の代表的なものが、スミレなんだとか。花が開かずに種が作れるんですね。何だか不思議な感じ。
スミレは、3~5月に花を咲かせ、昆虫を介して受粉をします。
さらにその後も11月頃までは、次々と蕾が出来て種子をつけているというのです。
つまりスミレは、開放花(3~5月)と閉鎖花(6月ころ~11月)の両方を持ち、季節によって変化させ、3月から11月頃までずっと種子を作っていることになります。
また種子にアリが好む成分を付けて、運んでもらっているようです。
知らなかったですね。見た目は小さく可憐なイメージですが、子孫を増やす戦略はかなりしたたかなようです。
スミレの種類と名前探し
紫色のスミレ
道端から、持って帰ったスミレがこちら。
濃い紫色の花。正式名称は何かなと思い調べてみると…。これが分かりにくい。
どうやらスミレ科スミレ属のスミレということらしい。
つまりこの花は、スミレを代表するスミレ。どこでも一般的によく見られるスミレのようです。
花壇や鉢など何箇所かに分けて植えたのですが、現在花壇では、姿を見ません。どこに生えているかというと、鉢の中や芝生の中、そしてコンクリートの割れ目。
花壇では、他の植物の陰で成長できなかったのか?条件の悪そうな場所で元気に生えています。
今もスミレを見つけると、他の草だけ抜いて、そっと残してしまうので、鉢の中はスミレだらけになっていきそうです。
白色のスミレ
この春コマユミの鉢の中に、白いスミレが咲いたんです。
初めて見る花です。花の中心に紫色の筋が入り、葉はハート型をしています。植えた覚えはないし、種が運ばれてきたのでしょうか。
この花の名前を知りたくて、【白いスミレ】でネット検索。
スミレの分類ー松江の花図鑑の中で、同じだと思えるスミレを見つけました。白いスミレは、有茎種の一番目に写真が出ていました。
ツボスミレという名前のようです。
白いスミレは珍しいのかと思ったら、日本で普通に見られる種類なんだとか。
スミレは地上茎がのびて葉が互性する有茎種と地上茎が発達せず葉や花柄が根もとからでる無茎種とに分けられるそうです。
鉢の中をよく観察すると、ツボスミレには茎があり葉が交互につき、先端に蕾がついています(有茎種)。
これに対してスミレは無茎種で、葉が地面から直接立ち上がっていました。
これが有茎種と無茎種の違いなんですね。
葉、茎、種の比較 <左 ツボスミレ > <右 スミレ>
今まで葉の付け根をまじまじとみることがなかったので、感心しました。
スミレの名前がわかり、開放花と閉鎖花、無茎種と有茎種の違いも、ちょっとかじりました。
その生態を少し知ることが出来てスミレに対するイメージが随分変わりました。野に咲く可憐なスミレは、生存競争に打ち勝とうとする逞しさを備えているんですね。
野に咲くスミレが好きなのは、可愛さに加えて強さを持っているからかもしれません。
スミレとツボスミレ。名前を知って、親近感が増したようです。これからツボスミレも、環境を気に入って増えてくれるといいんだけど。