少しづつ秋が深まり、庭のあちこちに4色の野菊が咲き始めました。
野菊と呼んでいますが、野菊という名前の花はないんですね。野に咲いているキクのような花の総称のようです。
野山など自然の中で花に出会った時、その花の名前を知りたくなりませんか。私は名前を知ることで、その花にもっと興味が湧いてくる気がしています。
そこで野菊をもう少し知りたいなと思い、4色の野菊の種類(名前)を調べてみることにしました。
加えて庭での使い方や管理、野菊に対する思いなどを書いてみたいと思います。
もくじ
4色の野菊の花と庭での使い方
11月の庭や花壇には、青紫色・藤色・白色・黄色4色の野菊が咲いています。
青紫色の野菊
10月下旬、青紫色の野菊がトップバッターで咲き始めます。
咲き始めは薄い青紫で徐々に濃い 青紫色の花色に変化します。
10年以上前に知人にもらった1株が増えたものです。
ネットで検索すると、細長い葉や花の形が『ノコンギク』に似ています。花色が濃い青紫色なので、ノコンギクから作られた園芸種ではないかと思います。
コンギクという名前でも見かけるようですが…。
大きくなっても50cmまでなりません。花は、3~4cmほどの大きさ。
ギボウシやヤブランなどの宿根草と組み合わせたり、落葉樹や常緑低木の下に植え込んでいます。
藤色の野菊
次に続いて咲くのが藤色の野菊。花は、青紫色の野菊とほぼ同じ大きさ。茎はもう少しガッチリとした感じです。草丈は60cmぐらい。
主に花壇で他の野菊と混植したり玄関前でシュウメイギクと一緒に植えています。
元々自生していた花が可愛い色だったので、移植したら広がったものです。
藤色の野菊は、このブロブを書くまで『ヨメナ』だと思ってきました。ところがヨメナとノコンギクの違いを解説している複数のサイトを見ると、なんだか違う気がしてきました。
今まで花の形だけ見て、ヨメナだと判断してきたのですが…。
ノコンギクは、茎が先端で分岐して房咲きになっているようです。実物を確認してみると、茎の先の方で分かれています。さらに葉を触ったら、ザラザラしている感じ。ヨメナはもっとツルツルしているらしいのです。
ひょっとしたら『ノコンギク』かもしれないと思い始め、半信半疑で混乱するばかり。
白色と黄色の野菊
11月になると、白と黄色の野菊が咲き始めます。
紫系の野菊が細長い葉っぱをしているのに対して、こちらの葉っぱは大きく切れ込みが入り、大輪の菊と同じような形をしています。
近所の山でも咲いているので、元々自生している野菊だと思います。ツツジやアベリア、クチナシの植え込みなど、いろんなところから顔を出します。
<クチナシの植え込みから顔を出した黄色い野菊>
植え込みの中から伸びてくると植え込みの上で花をつけるので、草丈は1mを超えることも。
花の大きさは、2~3cmのものや3~4cmのものも。葉っぱの形を見ると丸っぽいものと先が尖ったののがあるような…。
ひょっとしたら、1種類だけじゃないのかもしれません。
住んでいる地域は、瀬戸内海沿岸。白と黄色の野菊は、『ノジギク』の仲間だと思います。ノジギク、セトノジギク、キバナノジギクなど種類は色々あるようですが、ノジギクの仲間という以上は見分けがつかないんです。
小さい花がお気に入りで、自然に生えたものをあちこちに移植しました。
<切り戻しをして低い位置で咲いている野菊>
花壇や春に花が終わると殺風景になるモッコウバラの足元に植えて、小さな秋を楽しんでいます。
野菊の名前を確認したくて調べてみましたが、結局はっきりとした決め手がありませんでした。
「園芸種なら、購入した時に名前が書かれているのに」なんて思ったり。混乱は深まるばかりです。野菊は、見分けがつきにくいですね。
まあ間違った名前で覚えるよりも、今まで通り色で区別するのがいいかもしれません。
野菊の管理
野菊は自分で育ってくれるので、ちょっとお手伝いするだけ。
自然任せにして大丈夫な場所は、そのまま花を咲かせます。そして春の新芽が出る前に枯れた枝を切り取るだけです。
たまに、株分けや切り戻しを行います。
株分け
年数がたつと、地下茎で増えていくので株分けは簡単です。
「ここに野菊が咲いたらいいな」と思ったところに、株を掘って植え替えます。根張りは浅いので、簡単に掘れます。
ただし野菊が気ままに移動して、昨年と花が咲く場所がずれてるなんとことも。
植え替えの時期は、花が終わった後。花色を確認して、植え替えられるので、後になって「この色じゃなかった」と後悔することがありません。
野菊の切り戻し
白と黄色の野菊は、放任にすると背が高くなり倒れてしうことがあります。
もう少し低くしたいなと思う時は、夏までに1~2回切り戻しをします。
青紫色の野菊は、あまり大きくならないので切り戻しをしませんが、他の野菊は切り戻したら、低い位置で花を咲かせてくれます。
手前の野菊を切り戻し、後方の野菊はそのままにして高低差をつけて咲かせることもできます。
病害虫
紫系の野菊は、葉っぱをムシに食べられることがあり、白と黄色の野菊は、つぼみや花の周りにアブラムシが付くことがあります。
それでも、気にせずそのままにしていますね。
野菊の花を見て思う事
庭に植えている野菊は、自生するものと園芸種が入り混じっています。
花壇と玄関前の庭では、シュウメイギクが終わった後の主役。
庭の低木の植え込みでは、小さな白と黄色の花が点々と咲いてアクセントになっています。
花色も青紫色、藤色、白色、黄色と色々です。ですがキクの仲間なので、どのように組み合わせても、しっくりきて相性はいいようです。
白や黄色の小菊たちは、遠くからもよく目立ちますし、青紫や藤色は、ひっそりと優しい印象で、さりげない存在感を示します。
自然な庭づくりに一役買ってくれますし、切り花にして一輪挿しに生けると、家の中でも野の風情を感じられます。もちろん、アブラムシが付いていないか確認して…。
小さな花を咲かせる野菊は、可憐な雰囲気がありキクの中で一番のお気に入りです。
目立ちすぎず、さりげなく咲いてくれる野菊を見つけると、思わずかがみこんで見つめたくなります。その可憐さに癒される感じです。
今年は、なぜか黄色い野菊の花が少ないので、少し残念。花が終わったら、株を植え替えて増やそうと考えています。
今回、意気込んで野菊の種類を調べたものの「野菊の見分けは難しい」とつくづく感じました。
そして改めて、野山の景色をさりげなく感じさせてくれるだけで十分なんだと気づかされたのでした。野菊の花が終わると、いよいよ冬が近づきます。