鮮やかな黄色い花が満開を迎えました。庭の緑色の植栽の中で、丸い葉っぱの間から立ち上がった茎に2~3個から多いもので10個以上の黄色い花をつけます。
海岸線などに自生しているツワブキの花です。花が少なくなった秋の庭に、鮮やかな黄色が映えます。
そこで、庭での実際の使い方とツワブキのおすすめポイントをまとめてみました。
もくじ
ツワブキの育て方と管理
まずは、ツワブキについて簡単に説明します。
ツワブキとは
- キク科の常緑多年草。
- ツワブキを漢字で書くと石蕗。蕗に似た丸い葉が特徴的。
- 日本に自生し、日向から日陰まで生育。
- 草丈は20cm~1m。
- 秋にキクに似た黄色い花を咲かせる。
名前の由来は、光沢のある葉から連想して「ツヤのある蕗」から「ツヤブキ」になり「ツワブキ」になったなど諸説あるようです。
ツワブキの原種から、斑入りなどいくつかの園芸種も生まれています。
育て方と管理
ツワブキは一度地植えにすれば、丈夫で手のかからない植物です。
明るい日陰から半日陰に向くとされていますが、少々の日当たりでも、元気に育ちます。(西日の強いところや、斑入り葉は除いて)
やや湿潤なところを好むようですが、あまり神経質にならなくても、よっぽど乾燥したところでなければ、育ちます。
そして肥料を入れなくても育ち、逆に栄養分が多すぎると、 葉っぱが大きくなり過ぎてしまうようです。
必要な管理は、花が終わった後に茎ごと切り取ることと、枯れ葉を取り除く程度です。
花が終わった後に綿帽子のような種ができて、風で飛んで行きます。
種が飛んで、株が増えても大丈夫なら、花後の切り取りは不要です。
増やしたいときは、株分けも簡単です。
庭での使い方
さて、実際の庭ではどんな使い方をしているのか紹介します。
樹木の足元隠し
大きく育った樹木は、足元周りに緑が少なくなり、ちょっと寂しい感じがします。
そんな樹木の足元に植えると、緑色の丸い葉っぱが寂しさを和らげてくれます。
<ハナザクロの足元で咲くツワブキ>
石と組み合わせる
石の隙間に植え込んだり石の前面に植えると、自然な感じを醸し出すことができます。
<石の隙間に咲くツワブキ>
<石の前で日当たり良好>
葉の形の違う植物と組み合わせる
ツワブキ自体が、特徴的な葉の形をしているので、どの植物と合わせても変化があって、面白い組み合わせになります。
<トクサとツワブキ>
<シャガとツワブキ>
まとめて植えこむ
ツワブキをメインにした植え込みにすると、秋には黄色い鮮やかな花が、遠くからもよく目につく自然な感じの群生となります。
<半日陰はツワブキがいっぱい>
まだまだほかに使い方があるかもしれませんが、我が家ではこうして庭に生えていたツワブキをいろんな所に移植しました。
秋になると、すっかりツワブキの庭。花の少なさをカバーして、自然な雰囲気を醸し出すのに、大きく貢献してくれています。
ツワブキのおすすめポイント
特に珍しくもない山野草ですが、おすすめポイントがいっぱいです。
- 常緑で冬も緑の葉が茂っている。(寒い地方を除いて)
- 病害虫が少なく、丈夫で手入れが楽。
- 日陰から日向まで使え、土質を選ばない。
- 花が少なくなる秋に花が咲く。山野草にしては大きな黄色い花が、庭の緑色の中で映え見応えがある。
- 丸い葉が庭のアクセントになり、石や木との相性が良い。
- 葉の一枚一枚が大きく広がるので、雑草を抑えてくれる。
- 食べられる。
春のツワブキの柔らかい茎は、灰汁抜きをしたら食べることができます。煮付や佃煮、天ぷら。どれも美味しそうです。
わざわざ食べたりしないという方も、庭に食べられる植物があれば、いざという時の安心感があるのではないでしょうか。
花よし。葉よし。食べてよし。
まさに一石二鳥ならぬ、一石三鳥かもしれません。