皆さんは、園芸や野菜づくりをする時に土壌のpHを気にしたことがありますか。
そんなの基本だと言われそうですが、私は今まで土壌のpHを気にすることなく、植物を育ててきました。
肥料は入れても、家庭菜園の土壌の酸性度に目が向きませんでした。
ところが最近、植物には生育しやすいpH値があることを知り、「我が家の家庭菜園はどうなっているのだろう」という疑問がわいてきました。
そこで思い切って土壌pH測定器を購入したので、その使い方や実際に測定した結果と感想を書いてみることにします。
もくじ
シンワ土壌酸度計 Aの特長と使い方
さて、測定器を購入するに当たり、ネットで土壌pH測定器を検索してみました。土壌だけでなく水分も測れるものや、電池が必要なもの不要なもの。色々な測定器が紹介されています。
その中で私が重視したポイントは
- 操作が簡単なこと
- 電池などの動力なしで測定できること
- 価格が高すぎないこと
- amazonのカスタマーレビューが多く評価が高いこと
これらを考慮した結果、購入したのはシンワ土壌酸度計(価格3200円)です。
シンワ土壌酸度計の特長
測定範囲は、pH4.0~7.0 。土壌の酸度のみ測定可能で液体は測定できません。(pHは水溶液の性質を表す単位で、酸アルカリの度合いを0~14の目盛で表すもの)
メーターの1目盛は、pH0.2を指します。
※ 土壌酸度測定時以外は、目盛はpH7.0を指します。
シンワ土壌酸度計 Aの使い方
【土壌の準備】
直接差し込んで測定するため、土壌の密着度・湿度の加減・肥料分の過多等で指示値が異なる場合があるので、測定前に水をまいて20~30分後に測定する。
土壌に充分湿度のある状態(手で泥団子が作れる固さ)が目安。
【使い方】
① 使用前に必ずサンドペーパー(♯400~♯1000の極細目)で金属部分(円錐部分と帯部分の両方)をよく磨く。
<♯600のサンドペーパーで磨いているところ>
② 測定する畑や田に直接差し込む。金属面を完全に土の中に入れ、周りの土と密着させる。
③ 1分後針が安定した時の数値を見る。
土壌の状態で指示値が異なる場合があるので、数回測定して平均値を取るのが良い。
④ 測り終えたら、抜き取り乾いた布で拭き取って保管する。
⚠️防水ではないので、水洗いは禁止。
家庭菜園の土壌 pH測定
サンドペーパーで金属部分を磨き準備ができました。
では、土壌の酸度を測ってみます。まずは小手調べで、いつも使っている用土4種類を測ってみました。
赤玉土の実測値は、pH6.5でした。赤玉土は、pH5.0~6.0と言われていますが、測定精度が、±pH0.5なので、測定はしっかりできているようです。
鹿沼土の実測値はpH6.6。これに対して鹿沼土のpHは4.0~5.0なので、大きくかけ離れています。うまく測れていないようです。2~3度測りましたが、何回やっても出た数値はpH6.6でした。
ピートモスの実測値は、pH4.2。1分間測って安定した数値を読み取るのですが、ピートモスはあっという間に数値が安定しました。ピートモスのpH3.8~4.8の範囲にしっかりと入っています。
パーライトの実測値は、ほぼpH7.0。パーライトのpH7.0とほとんど一緒でした。
鹿沼土は粒が大きく、うまく密着しなかったので正確な数値が出なかったのでしょうか。他の3種類は、おおよそ紹介されている数値に近い指示値が出ました。
次に家庭菜園に移動して、大根とニンニク、ナスビを植えている3箇所の土壌を測ってみました。
まずは大根です。
<大根の土壌 pH6.5>
大根の生育に適したpHは、5.5~6.5。上限ぐらいで範囲に収まっています。植物の生育に適したpHは調べてみると、資料によって数値にバラツキがあるようです。大雑把に見るぐらいがいいかもしれません。
次にニンニクです。
石灰を入れて9月に植え付けました。まだ芽が出ていませんが、芽を潰さないようにそっと差し込んで測りました。
<ニンニクの土壌 pH6.5>
ニンニクの生育に適したpHは、6.0~6.5。これもギリギリ範囲内です。
最後はナスビです。昨年は生育が悪く秋になると実が成らず抜いてしまいましたが、今年はなぜか良く実をつけています。
<ナスビの土壌 pH6.5>
ナスビの生育に適したpHは6.0~6.5。なんと3箇所とも、ほぼpH6.5の値でした。
畑の土は真砂土なので、もっと酸性寄りの数値が出ると思っていたので、ちょっと意外な感じがしました。測ってみないと分からないものですね。3箇所とも一応生育に適した範囲内だったので、ホッとしました。
作物を植える前に土壌のpHを測定できれば、作物の生育に適したpHに調整することができるので、作物が元気よく育つ環境に近づけることができそうです。
近々、ホウレンソウのタネを蒔く予定です。
今まで石灰をどれぐらい入れたら良いのかわからず、カンでやって来ましたが、pHを測れたら入れる量の目安がわかるかも。
鉢の中も試しにpH測定
土壌酸度計の使い方は、土に差し込むだけ。とても簡単なので使い方にもすぐ慣れました。
差し込むとすぐpH値を表示してくれるので、もっと色々測りたくなって、鉢の土も測ってみました。
土壌酸度計の注意書きの中に、電極部に密着度の低い園芸用土には適していませんと書かれています。
「ん〜、園芸用土は測れないってこと?」
やってみないとわかりません。ものは試しで、ゼラニウムとラベンダーとイチゴの鉢で測定してみました。
<ゼラニウム pH6.4>
ゼラニウムの生育に適したpHは、6.5~7.0。
<ラベンダー pH6.0>
ラベンダーの生育に適したpHは、6.5~7.5。
<イチゴ pH6.4>
イチゴの生育に適したpHは、5.5~6.8。
それぞれの鉢で少しづつ異なる数値が出ましたが、ゼラニウムとイチゴは生育に適したpHでした。
「これって、測れてるよね?!」
一部の園芸用土は測れないということだったのでしょうか。それとも、正確な数値が出ないということでしょうか。でも、植え付けの目安には使えそうです。
ラベンダーの測定値は6.0で生育範囲からズレていることがわかりました。ラベンダーはもっとアルカリ寄りの土壌を好むようですね。
育てて10年以上経ちますが、今まであまり大きくなりませんでした。夏が暑すぎるのかなとずっと思っていたのですが、ひょっとしたらpHが合っていなかった為かもしれません。
丁度植え替え時期なので、石灰を入れ土壌酸度計で測定して、生育に適したpHに調整して植え替えたいと思います。生育が良くなれば、ラッキーですよね。
今回はじめてph測定器を買って使ってみました。使い方は簡単で、測り方もすぐ慣れました。使った後は、乾いた布で拭いて収納するだけです。
これなら家庭菜園でも鉢やプランターでも、土壌の管理にしっかりと便利に活用できそうですよ。