アナベル の育て方( 鉢植え)と アナベルが西洋アジサイより育てやすい点

アジサイアナベルを挿し木から育てて2年。今年も白い手毬状の花がたくさん咲き始めました。昨年より花付きも良いようです。

 

アナベルは本当に初心者でも育てやすい花です。庭植えにされることが多いですが、鉢植えでも育てられます。

 そこで鉢植えにしたアナベルの育て方や、西洋アジサイより育てやすい点をまとめてみました。

アジサイアナベル 鉢植えでの育て方

アジサイアナベルの植え付け

 庭に植えたアナベルは、年々株が大きくなり見事なのですが、

鉢植えでも楽しみたいですよね。大丈夫、もちろん鉢植えで楽しめます。いくつかの点に気をつけたら、毎年春には期待通りの花が見られると思います。

 【鉢選び】

まずアナベルを植える鉢を選ぶ時には、いつもより大きめの鉢を選びましょう乾燥すると、すぐ水切れを起こし、萎れてしまいます。

 ちなみに私は、駄温鉢9号(口径27cm)を使っています。

 【土】

土に関しては、特殊な配合も必要なく市販の一般的な園芸用土でよく育ちます。

【植えつけ】

鉢に植え付ける時には、ウォータースペース(鉢の縁から土の表面まで)を3cm以上しっかり取りましょう。

【置き場所】

 アジサイは半日陰を好むイメージですが、アナベルは日当たりを好みます。日光不足になると、花付きに影響することがあります。真夏以外は、たっぷりと日光浴させましょう。 

アナベルの管理

 それでは、大まかなアナベルの1年を見ていきます。

暖かくなってくると、アナベルの新芽が芽吹いてきます。

<4月のアナベル>

<5月のアナベル>

4月には葉が茂り、5月になると花芽が出来て、日々背が伸び花も緑色を帯びてきます。6月になると大きな手毬状の白い花が見事に咲き揃います。

 

緑色から白色に変化した花は、再び緑色に。

 

アナベルの花は秋まで花色の変化を楽しめます。晩秋になると花も枯れ落葉します。

 

春までの間、見た目の変化はなく、じっと春を待っている感じです。

【水やり】

アナベルは水が大好きです。鉢植えでは、ちょっと水不足になると萎れてしまいます。 ウォータースペースにタップリ水が溜まるぐらいあげます。

 

特に花が咲いている時には、水切れが起きやすいので注意しましょう。

 【剪定】

普通のアジサイは、夏までに剪定します。

これは剪定が遅くなってしまうと、次の年に花芽ができる部分を切ってしまうためです。

 それに対してアナベルは、春に芽吹いた枝に花芽が付くので、春の新芽が出るまでに剪定すれば、花が咲きます。剪定時期に神経質にならなくて済みます。

 【病害虫】

 かかりやすい病気として、うどんこ病モザイク病があります。害虫としてはハダニカミキリムシがいますが、私が経験したのはカミキリムシの被害です。

 ある日アナベルの花を見ると、1枝だけ萎れていました。水をやっても回復せず、なぜだろうと思って株元を見ると、何やらおがくずのようなものが株元にあります。

 

「これはおかしい。何か居るんだろうか」

そこで萎びてしまった枝を切ってみると、なかが空洞になっていて、幼虫のようなものがいました。

調べてみると、犯人はカミキリムシの幼虫。カミキリムシに卵を産みつけられていました。駆除するには、穴から針金を差し込んだり、薬剤を注入する方法があるようです。

私は枝を切ってしまったので、そのまま様子を見ましたが、それ以上被害は広がらなかったので、ホッとしました。せっかく咲いた枝がダメになってしまうので、カミキリムシには要注意です。

【花の支柱】

 鉢植えで大きな花をつけると、雨や風で倒れやすくなってしまいます。昨年は1本づつ支柱を立てたのですが、枝が柔らかいせいか固定したワイヤーが枝に当たって、黒く変色しました。

 そこで今年は、周りを囲む作戦に。1本1本ではなく鉢の周りに支柱を立てて、シュロ紐で囲ってみました。それでもやっぱり、枝に当たった所は少し黒ずんでしまいました。

支柱があると倒れにくいので必要だと思いますが、何で固定するのか素材を工夫した方が良さそうです。柔らかい素材なら、黒く変色しないかもしれません。

 

実際雨が降って、枝が折れていました。そうなったら思い切って切り花にして飾るか、ドライフラワーにすることもできます。

【植え替え】

 鉢植えで育てて2年。まだ植え替えはしていませんが、今年は秋の落葉頃に植え替えをしようかなと思っています。鉢はこれ以上大きくしたくないので、土を入れ替え、根を整理して同じ鉢に植え直そうと考えている所です。

苗の植え付けも10~11月か葉っぱが出る前の3~4月が適期です。

【肥料】

 鉢植えでは、無肥料という訳には行きません。寒肥を入れています。

アナベルの鉢植えで特に気をつける点 まとめ

  • 大きめの鉢を選ぶこと
  • 植え付ける時にはウォータースペースを3cm以上確保すること
  • 鉢植えは水切れしやすいので、ウォータースペースに水が溜まるぐらい水やりすること

西洋アジサイよりも育てやすい点

 アナベルは北アメリカ原産のアジサイ。日本のアジサイを元に品種改良されたアジサイと比べると、異なる点があります。

 * アナベルの花色は、土のphに影響されない

アジサイは、七変化(しちへんげ)とも言われます。これは、アジサイの花色が土のphによって、変化することによります。土が酸性なら青色になり、中性〜弱アルカリ性ならピンク色になります。

 

これに対してアナベルは、緑色から白色そして緑色へと花色の変化はあっても、土のphに影響されることはないので、どこでも白い花が咲きます。

 

<咲き始めのアナベル>

<咲き進んだ白いアナベル>

土のphを気にしたり、ph調整をする必要はありません。

* アナベルの花は春に芽吹いた枝につく

西洋アジサイは、2年目の枝に花を付けるので、剪定時期がとても重要です。

花芽が形成される秋以降に枝を剪定したら、次の年にはアジサイの花が見られないかもしれません。剪定できるのは、短い期間に限られます。

 これに対してアナベルは、1年目の枝に花が付きます。

アナベルの剪定は、西洋アジサイよりも剪定に適した期間が長く、春までに枝を切れば良いので、本当に楽です。花が咲かないなんてことはありません。

好みの所で切って大丈夫なので、強剪定弱剪定もできます

あまり手間をかけずに育てたい時や、初めてアジサイに挑戦するときなどにピッタリの花ではないでしょうか。

 庭に植えると年々大株になって行きますが、鉢植えで、コンパクトに育てることもできます。

ちょっと大きめの鉢に植えたアナベルを、身近に置いてみませんか。梅雨の楽しみが増えるかもしれません。