ビオラの種を採取しました F1のビオラから取った種はどうなる?

花と香りを楽しませてくれたビオラ。

9月にタネを蒔いてから、8ヶ月。茎が伸び、タネをどんどん付け始めました。そろそろビオラの花が終わりそうです。

そこでタネを取ろうかどうしようか悩んでいる時、タネの袋に書いてあったF1の文字が気になり、調べてみました。

調べてみると、今のタネ販売の様子が何となく理解できました。

「なるほど!そういうことか」

悩んでいたビオラのタネも採取したので、経過をまとめてみました。

F1のビオラからタネを取ったら?

9月に買ったビオラのタネですが、袋にはF1の文字が見えます。

F1とは何でしょうか。

調べてみると、タネには、F1種と固定種があるようです

<タキイのカタログ F1ビオラ >

F1種子(Filial 1 hybrid)は、一代雑種ハイブリッド種とも呼ばれています。異なる性質を持つ親を交配させて、両親の良いとこどりをした種子のようです。

これに対して固定種は、代々同じ性質が受け継がれている種です。

F1種の開発は、1920年代ころから行われました。さらに戦後高度経済成長期の大量生産や大量消費の時代が訪れ、農業生産にも、工業生産のような品質の均一化や規格化が求められ、F1種が広がっていきました。

人間が農耕を始めて、長い間受け継がれてきた固定種が、今ではあまり見られなくなり、F1種に取って代わられているようです。

それでは、F1種は、良いことばかりかと言うと…。

F1種の良さは、雑種強勢にあります。

雑種強勢とは、両親に比べてより生育が旺盛で、抵抗力が強く、収量も高くなることを言いますが、この雑種強勢は一代かぎり

F2世代(F1の次世代)になると親の良いとこどりはできず、性質にばらつきが出てしまいます。

つまりF1から取れたタネを蒔いても、F1と同じものは育ちません。

固定種が、親の性質を受け継ぐのとは、まったく違う性質です。

「なるほど」

今出回っている野菜や花などの多くがF1種で作られ、安定した生産になっていますが、そのタネを自家採取しても、次の年には親と同じ性質のものは育たないと言うことですね。

つまり今植えているビオラからタネを取っても、次の代では同じものは育たない訳です。

花色や形、性質などが違ってくるんでしょうか。

同じ性質のものが欲しかったら、タネを購入するしかなさそうです。

でも、いろんな性質のビオラが出てくるのも面白いかもしれません。

タネを取って、F2がどうなるのか見てみたくなりました。

ビオラのタネ取りの手順

そこで、ビオラのタネを取ることに決めました。

9月に購入したのは、花色ミックスのタネ。

いろんな花色が入っていました。こうなると次世代の花色はどうなってしまうのか?

全種類のタネは取れそうにないので、

青紫藤色黄色オレンジ色エンジ色紫×黄色の7種類を採取しました。

【タネを取る手順】

タネは熟してくると、下向きだったのが上を向いてきます。さらに緑色が茶色がかってくると、タネがはじけます。

はじけたタネを採取しても良いのですが、できるだけ丈夫で生育の良い株のタネに目星を付けて、そのタネにお茶パックを被せておき、弾けたタネを採取。

ドーム型のタネ袋(勝手にそう呼んでいます)は、弾けると3つに分かれ、それぞれ10個以上のタネが入っています。

1つの花色につき1つのタネ袋から採取しただけで、秋に蒔くには十分な数のタネが取れました。

お茶パックに入れたタネは、缶の中に入れて冷蔵庫で保管します

秋の出番までは、休眠してもらいましょう。

1年後、一体どんな花が咲いているでしょう。

オレンジ色のビオラは単独で植えていたので、次の代もオレンジ色に近い花色になるのか?

色々な花色を混植したプランターのタネからは、混色のビオラが咲くのか?

今咲いているビオラの性質を上回るものは期待できませんが、どんな性質になるのか楽しみでもあります。