パンダスミレとそれを食べるツマグロヒョウモンの攻防

春から待ち望んでいたパンダスミレの花がやっと咲きました。何故なら春から秋にかけて、ツマグロヒョウモンが食べつくし、全く花が咲かなかったのです。

やっと咲いたスミレは、花の中心が紫色で周りが白色。花の模様からパンダスミレと呼ばれているようです。

パンダスミレはどんな花?

パンダスミレは、園芸上の流通名なんだとか。では正式名称は?どんな花なのか調べてみました。

『タスマニアビオラ』これがパンダスミレの正式名称。

  • 和名ツタスミレ。
  • 常緑多年草。
  • 原産は、オーストラリア〜マレー半島。
  • 開花時草丈は10〜15cm。
  • 開花時期は春から初夏だが、周年開花性もある。
  • 茎がツル状に伸びて、横に広がる。
  • マイナス5℃程度の耐寒性がある。
  • 霜や寒風の害がない地域は屋外で越冬できる。

同僚にもらった株を鉢植えで育てています。

パンダスミレとツマグロヒョウモン

冬場は、滅多にマイナス5℃になることはありませんが、葉っぱは枯れてしまいます。それでも春になると元気に新芽が上がってきます。

ところが、新芽を待っているのはムシも一緒のようです。蝶の幼虫が葉っぱを食べてしまいます。

パンダスミレ(言いやすいので、こう呼びます)を食べるのは、

『ツマグロヒョウモン』

ツマグロヒョウモンの名前を教えてもらったのは、2016年のことです。オレンジ色の綺麗な蝶ですね。

ツマグロヒョウモンとは

  • 日本では、本州南西部から南で見られていたが、生育域は北に向かって広がっている。(温暖化や園芸スミレが冬のガーデニングに普及した影響などによる)
  • 幼虫はスミレ類を食草とする。
  • 草原や庭空き地、道端など身近なところで見られる。
  • 野草のスミレ類だけでなく、園芸種のパンジーやビオラなども食べる。
  • 成虫は4月頃から11月頃まで見られる。
  • 幼虫は黒にオレンジの筋が入った毒々しい見た目をしているが、毒はない。
  • 冬の間は、幼虫か蛹で過ごす。
  • 他のヒョウモンチョウの仲間が、年に1回しか発生しないのに、ツマグロヒョウモンは年に4~5回発生して世代交代する

 

<ツマグロヒョウモン メス>

ツマグロヒョウモンは、スミレの仲間だけを食べちゃいます。

庭には、野のスミレ類やニオイスミレ、ビオラなどを植えていますが、その中でも一番食べられているのがパンダスミレです。

食害にくじけないパンダスミレ

ツマグロヒョウモンは、年に4~5回発生するんですね。まさしくこれが、秋まで花を見ることができなかった理由です。

パンダスミレを食べ尽くして、幼虫が去ってしまうと、新たな丸い葉っぱが茂ってきます。

「やれやれ。これで花が見れるぞ」と思っていると、またいつの間にかツマグロヒョウモンの幼虫が美味しそうに葉を食べている姿を見かけるかけることに…。

<葉っぱが食べ尽くされたパンダスミレ>

結局今年は、2回丸裸にされ、秋になりやっと株が充実して花が咲いたというわけです。

パンダスミレを育てているのか、ツマグロヒョウモンを育てているのか、わからなくなりそう。

それでも食害は、1つの鉢に集中してくれた方がいいような気もして、そのまま見守っています。

農薬がかかった葉っぱでは、蝶も育たないようです。スミレを無農薬で育てている証拠でもあるし…。

 

パンダスミレは、ムシが葉っぱを食べ尽くす間耐え忍び、エネルギーを蓄えます。そしてムシが居なくなったら、少しづつ新芽が出てきました。

負けていませんね。今は小さな鉢で株が混み合うほどに葉を茂らせています。大したものです。

そこで株の更新も考えて、別の鉢に伸びたツルを誘導しました。ゼムクリップをU字にして3箇所ツルを固定。

 

もう暫くしたら、発根してくれるはず。根付いたらツルを切り離します。この方法だと簡単にパンダスミレを増やすことができます。

来年は、またツマグロヒョウモンがやってくるでしょう。

「また食べられるのかな」

でもムシもスミレが枯れてしまう程までは、食べ尽くしませんでした。そう思ったら蝶が飛び交う庭もいいものです。

葉っぱを食べられたと嘆きながら、来年もパンダスミレとツマグロヒョウモンの両方を見守っているかもしれません。